今回は櫻井駿祐選手(異文化コミュニケーション・3年)です。櫻井選手は粘りの走りが特徴の選手で、練習でくらい着く姿が印象的です。今年度に入り怪我から明け、ここからの伸びがとても楽しみな選手です。
こんにちは。異文化コミュニケーション学部3年の櫻井駿祐と申します。今回のブログでは、昨年度の秋学期に参加した海外留学研修について述べていきます。
私が留学した場所はコロラド州のボルダーです。ロッキー山脈の麓に位置する自然豊かな都市で、私が通ったコロラド大学を中心としたカレッジタウンです。標高が1600m以上あることから、高地トレーニングの場所としても有名です。
当初の話では大学の部活動への参加ができるとのことでしたが、留学生は参加できなかったので、約2ヶ月半1人での練習が続きました。しかし、アメリカでの練習を経験したかったので、自分で様々なチームに連絡して、アメリカ陸上のエージェントとコンタクトを取りました。エージェントのお力添えもあり、Team Boulder Eliteというチームで練習できることとなりました。位置付けとしてはプロとしては活動しない、またはできない選手が集まっているチームですが、US Olympic Marathon Trialを目標にしている選手が多く、レベルの高さを体感しました。前回の東京オリンピックのマラソンのアメリカ代表(Jacob Riley)が在籍していて、セミプロのチームとしてとても話題性の高いチームでした。
練習方法や雰囲気は日本とは異なっていて興味深かったです。みんなで集まって練習する日は火曜日、金曜日にWorkout、日曜日にLong Runで、Mona FartlekやPyramid Fartlekといったペース変化の富んだ練習や、クロスカントリーやトレイルでのアップダウンの激しい練習も行いました。Long Runでは距離走のように構えずに、話しながら良いテンポで 15〜20マイル走る光景にショックを受けました。
一方で練習が終わった後にお互いのハードワークを讃え合い、チームメイト同士でグータッチしている光景は、チームメイトがいるから良い充実した練習ができているのだという感謝が伝わり、チームとしての温かみも感じました。チームメイトに言われた言葉がとても印象に残っています。「あなたはいつかancestorになるのだから、Yesや頷いて従うのではなく、自分の言動に自信を持って振る舞いなさい。」実際に話された英語は忘れてしまいましたが、この言葉をきっかけに前向きな言動が増えたと感じています。
ホームステイ先での経験もとても印象的でした。とても大きな家に高齢の夫婦2人と男2人、ペット4匹とともに4ヶ月間ホームステイしました。ホストファミリーは色々なところに連れて行ってくれたり、ご馳走してくれたりしてとても温かく接してくれました。一方でホストファミリーは異なる背景を持っていました。ホストマザーはドイツ系アメリカ人として戦争の時代に生まれたそうで、沢山当時の話しを聞きましたし、文化や戦争についてお互いの視点で議論もしました。ホストファザーは元会社経営者で成功を収めたものの、NF2と呼ばれる先天的な病気に罹っていて、耳や足が不自由だったので、話す時にはiPadを使ったりアメリカの手話も用いることもありました。また男1人は退役軍人、もう1人はケニア人で、2人ともコロナ流行時にホームレスだったそうですが、ホストマザーが熱心なホームレスの支援者で、彼らを見つけて部屋を貸すことになったそうです。彼らと生活して、異なる文化や背景を尊重する重要性とディサビリティやホームレス、高齢者がもっと生活しやすいような社会が必要だと感じました。
留学で得た考え方や経験を活かすことで、留学後もこのチームで濃い時間を過ごすことができています。現在、チームとしては競争が活発になっており、とても調子が上向きなので、自分も調子を戻して、チームの上位層に絡んでいけるように、また主要な大会への出場を勝ち取れるように日々の練習に励もうと思います。
最後までお目通し頂きありがとうございました。今後ともご支援、ご鞭撻のほどよろしくお願いします。
次回は、加藤広人(コミュニティ福祉・3年)のブログです。来週も是非お読みください。