今回は、丸山龍之介選手(理・4年)のブログです。丸山選手はチーム1の努力家です。体のケアや食事、補強など陸上競技を行う上で何が大切なのかを常に考えて行動しています。昨年度大幅に自己ベストを更新した丸山選手のラストイヤーに注目です。
こんにちは。理学部生命理学科4年の丸山龍之介です。ブログをご覧いただき、ありがとうございます。このブログが更新されるのは7月31日です。私たちはテストやレポートが終わり、無事夏合宿がスタートできている頃だと思います。私にとっては最後の夏合宿。故障に苦しんだ春シーズンに溜め込んだエネルギーを秋シーズンに繋げられるように日々全力で取り組んでいきたいと思います。
さて4回目のブログです。この4年間を振り返ると、故障によって満足に走れない期間が多くありました。特に2年生の時に発症した腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛では、1ヶ月以上走り出せず、復帰して全体練習に合流するまで半年近くかかりました。ここまで長く走れないことは初めてでしたので、日々どのように練習し復帰を目指していくか、大変苦労しました。今回のブログではこの故障期間の取り組みについて書いていくことで、あの苦しい日々を供養すると共に、このブログを読んでくださっている故障に苦しんでいる方々に少しでも力になれればと願っています。かなり長々と書いてしまいましたのでお時間よろしい時にお読みいだければ幸いです。
「故障」と一括りに言っても、症状は人それぞれであり、また日によって少しずつ変化します。痛みの大きさやどの動作で痛みが出るかなど。できることが限られる中で、故障の原因を乗り越え、復帰後により強くなるために練習を組み立てる必要があります。私は腰から臀部、太腿にかけて痛みがあり、できることが限られていましたが、日々色々と調べ、何ができて何が効果的か試して自分に合った練習を模索していました。ここではそのいくつかを、故障してから復帰までの流れで紹介していきます。
①補強トレーニング
走れない分の時間や体力の余裕がありますので、いつもは意識できない部分の強化を行います。私は臀部の筋力がうまく使えていないことからフォームが崩れ、痛みが出ていました。そのため、臀部周りの補強を入念に行っていました。また上半身の補強にも意識を向けるようになりました。元々私は筋力があまりなく、補強は苦手でしたが、下半身をしっかり動かせる上半身にしようと意識的に取り組みました。復帰して腕を振ったときに推進力が段違いに変化しており、それから上半身の補強をずっと続けています。
②水泳
走れない時は有酸素運動として水泳を活用していました。水中は想像以上に体力を使います。体幹を意識して長い時間泳いだり、息継ぎを減らしてインターバルのように泳いだりと、補強だけだと弱っていく体力を維持していくことができます。足に痛みがある時は浮きを挟んで腕だけで泳いでいたので上半身の筋力強化にもつながりました。脹脛周りが痛む時は水中で自然と蹴ってしまったりするので他のバイクやウォーキングを活用していました。
③バイク
水泳の他に有酸素運動としてバイクも活用していました。太腿まわりが痛む時は軽く、痛みの出ない範囲で行っていましたが、痛みがなくなってきてからは走る代わりとして、jogのような使い方からインターバルのような使い方まで、復帰に向かう第一段階として活躍していました。足の負担が少なく呼吸を追い込めますし、漕ぐ時にハムストリングスや臀部を意識することで走る時にも臀部周りを意識して走れるようになりました。走れるようになってからも、流しなどの速い動きを出したいけどまだ足に不安がある時には、ジョグの後にバイクで回転を速くして漕いだりしています。
④ウォーキング
歩きで痛みが出ない時は有酸素運動としてウォーキングも活用しました。痛みの出ない範囲で大股で歩いたり、腕振りに意識を向けたりして、走り出しに近づけるように体力や筋力を戻していきます。歩きでも痛む期間が長く続き、ウォーキングも中々できなかった時は、ウォーキングを増やすだけでも筋力的に疲労を感じることがありました。自身の体力低下にショックを受けつつ、地道に続ける大切さを再認識しました。
⑤動き作り、走り出し
ウォーキングを継続していくと、ペースを上げても痛みが出なくなり、体が走り出したくなってきます。走り出す前に動き作りやドリルなどを行い、痛みの程度を確認しながら少しずつ走っていきます。無理せずに少しずつ走れる時間とペースを上げていきます。ここまできたら復帰まであと少しですが、走れない期間が長いほどここが難しいです。筋力が落ちている分、少し走っただけでも足にダメージがきます。痛みの原因が解消できていなかったことや筋力不足、一気に増やしすぎるなど、何度もウォーキングとジョグをいったりきたりして苦しい時期でした。
⑥全体に合流、復帰
ジョグができるようになってきたら、流しを入れて快調走を始め、ポイント練習を行っていきます。ポイント練習は復帰中の選手の復帰目処や復帰戦の目標に向けて、監督と相談しながらメニューを決めていきます。この時の監督と相談してメニュー決めていく過程は、全体に合流した後でも練習量と体の状態の調整に役立っています。
ここまで故障をして走れなくなってから全体に合流するまでに取り組んだ練習をいくつか書いてきました。こうやって書き出してみると、走るといういつもの練習ができなくなる代わりに多くのできることが存在しているとわかります。痛みをなくして故障を治すことを最優先にしながら、強くなるために必要な練習を考え組み立てることは大変でしたが、大きく成長できたと感じています。
故障はスポーツを行う上でついてまわるものだと思います。今までできていたことができなくなりますが、自身の体を見つめ直す良いきっかけにもなります。体は一人一人異なります。私の場合はここまで書いてきたことがうまく当てはまり、復帰に向かうことができました。しかし他の人では全く効果がないかもしれません。自分に最も効果的なことは何かを見つけることが、故障を乗り越える上で一番重要だと思います。故障に苦しむ方々が復帰に向けて自身と向き合い、良い練習を見つける力にほんの少しでもなることが出来ていれば幸いです。
最後に、故障期間でも諦めずに復帰に向けて取り組み続けられたのは、気にかけて指導してくださる監督やトレーナーさん、治療院の先生、そして共に故障と向き合ってきた選手のおかげだと思います。私の大学での陸上競技生活もあと半年ほどとなりました。これまでの故障期間含めた陸上競技生活で学んできたことを最大限活かして全力で取り組んでいきたいと思います。また、故障が多かったことで親にも多く心配をかけました。新型コロナウイルスの影響もあり中々試合で走っている姿を見せることができませんでした。秋シーズンに10年間陸上競技に取り組んできた成果を見せることができればと思います。
とても長く、拙い文章となってしまいましたがここまでお読みいただきありがとうございました。今後とも立教大学体育会陸上競技部男子駅伝チームの応援をよろしくお願いします。
次回は内田賢利選手(コミュニティ福祉・4年)のブログです。来週も是非お読みください。